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2013年10月31日

尺一寸

尺一寸
大工さんから教わった言葉に「尺一寸(しゃくいっすん)」というものがあります。
これは、木造の梁(横架材)の成(材の高さ)を決める基準を表しています。
梁材の断面は長方形をしていて、高さと幅があります。幅は柱の大きさに合わせるのが現在は一般的なので、一軒の住宅では同じ寸法とします。
梁材は上からの力がかかるので、下方にたわみます。上からの力が梁の強度を超えれば壊れます。
この梁の強度は、梁の成できまります。先ほどの「尺一寸」とはこの梁の成を決める昔からのルールなのです。
梁のスパン(梁を支える柱の間隔)、1尺(約303.3㎜)ごとに1寸(約30㎜)の梁成の材料を用いなさいということです。
例えば、梁のスパンが2間(3,640㎜)の場合
2間=12尺なので 梁成は 12×1寸=12寸(360㎜) 必要になるということです。
これは大工さんの経験による、梁成の決め方のように思われますが、構造計算で求めた数字とほぼ一致します。
だから、単なる勘ということではないようです。
ただこの「尺1寸」も木材の種類によっては補正が必要で、米松などの松系ではほぼOKで条件次第では一割位は梁成を小さくできます。逆に杉材では1割から2割大きくする必要があります。
このように日本の木造技術は永い年月の中で、経験則を積み重ねて熟成されて現在に至っているのです。


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