■倉布人のOfficial Blog  ボチボチと綴ります

2011年04月20日

被災地の調査を終えて2

 この住宅に住む人の話を聞きました。

被災地の調査を終えて2















「地震が来て直ぐに家に帰りました。
すでに家族は避難していてホッとしたのもつかの間、玄関を入るときに、後ろから津波が追いかけてきたので、慌てて2階に上がったのですが、窓から津波が迫るのを眺め、もう諦めました。」
「1階の柱が軋み、これで全て終わりと思ったのですが、なぜか靴下が濡れただけで、何とか家は倒れず残りました。
九死に一生を得ました。」

被災地の調査を終えて2 















この話を聞いてから現地に来ました。
確かに、一軒だけ残っていました。両隣の家は、土台しか残っていないのに。

たぶん、この家の前だけに残っていた防波堤のおかげで、津波の勢いが弱まり、助かったのでしょう。

技術者として言ってはいけない言葉かもしれませんが、「運が良かった」としか言えません。
防波堤という人が作ったものは完全ではありませんでした。しかし、その防波堤で救われた命がありました。完璧な技術はないが、最善をつくすのが技術者としての使命。
いかに「想定外」を想定するかが、これからの大きな課題です。


同じカテゴリー(建築士会)の記事
希望
希望(2012-06-15 09:01)

いわき2
いわき2(2012-06-13 09:01)

再び”いわき”
再び”いわき”(2012-06-11 09:01)


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
被災地の調査を終えて2
    コメント(0)